高橋秀樹の本が出ました。
『山とけものと猟師の話』(静岡新聞社刊)
少々、難しいテーマだったこともあり、紆余曲折もありましたが、何とかカタチになりました。
著者は鹿児島県の草深い田舎で生まれ育ちました。山や川は遊び場であり、自然から何かを学ぶ“教室”でした。
30代、北米インディアンや東北マタギを取材し「狩猟採集」「自給自足」というライフスタイルにロマンを感じました。版元から、執筆を打診されたとき二つ返事で引き受けましたが、いざ取材を始めるとロマンなど吹っ飛んでしまう現実でした。
その現実とは、人間と野生動物の軋轢です。
背景には山間地の過疎化、農林業の衰退、狩猟人口の減少などが挙げられます。
結果、シカやイノシシが増え、農林業に大きな被害を及ぼしてしまったのです。さらにはシカやイノシシが「害獣」扱いされ「駆除」の対象になってしまいました。
ただ、取材で出会った猟師の多くは老齢で、どこか、この国に連綿と残る“狩猟文化”を体現していると思います。
本書が、人間と自然、野生動物の関係を考えるきっかけになってくれれば嬉しいです。
高橋秀樹
リンク
ABOUT ME
