メトラにのって ダウンタウンシカゴへ#1 シカゴの旅④の続き、やっと乗り物から降りてダウンタウン観光です!
目次
ミシガン・アベニュー・ブリッジ Michigan Avenue Bridge
シカゴ川にかかる橋の中でもとりわけ賑やかなのが、通称 ミシガン・アベニュー・ブリッジ(Michigan Avenue Bridge)、本名 ドゥ・サーブル橋(DuSable Bridge)。
車は上を、歩行者は下を通行する二層構造です。私たちは知らずに上を通っていました。下も通ってみたかった。
この橋から北に伸びる道が『魅惑の1マイル』と呼ばれるマグニフィセントマイル。
高級ブランド店やホテル、ユニクロが並ぶシカゴ最大の目抜き通りです。
反対に南に行くと、有名な観光スポット、ミレニアムパークの前に出ます。
なるほど、ミシガン・アベニュー・ブリッジは超重要な橋なのです。
この橋も、シカゴ川にかかる他の橋と同じように、高さのある船が通る時には中央が割れて跳ね上がる可動橋です。
かつては年に数千回も開いたそうですが、現在は交通の妨げになるので、毎年春と秋の限られた期間、水曜日と土曜日に開き、格好のリバークルーズコースになっています。
各橋のリフトに必要な時間は平均8~12分。シカゴ川にかかる38本の可動橋のうち、27本の橋が連続して吊り上る様子が見られるそうです。
シカゴの橋について詳しいサイト”Chicago Loop Bridges”。
この中の”Bridge Lift Schedule“から、リフトの日時を調べられますので、春・夏にシカゴに行かれる方は要チェックです。
ミシガン・アベニュー・ブリッジの四隅には、橋の管理棟であるブリッジ・ハウスが建てられています。可動橋を操作し、川のトラフィックを監視するための建物で、それぞれに特徴的な彫刻が施されています。
シカゴ建築財団 私のシカゴ到着日に移転してた!
上のブリッジ・ハウスの写真は、観光初日にリグレービルの前から南を向いて撮ったものですが、左の黒いビル、てっきりIBMビルだとばかり思っていたら、ここが、ここが、聖地『シカゴ建築財団』だったぁぁぁぁ!
建築の都シカゴに行くんだから、シカゴ建築財団は絶対にはずせません。
なのに、行く予定にしてたミレニアムパークの前から引越し、私がシカゴに到着したその日、『シカゴ建築センター』と名前を変えて上の場所に新規オープンしてたとは!
そんなこととはつゆ知らず、華麗にスルーしてたじゃないですか~!
それも、シカゴ川隔ててアップルストアの真向かいって。。
私の人生でも5本の指に入る悲劇です。
新しいシカゴ建築センターが入っているワン・イリノイ・センターは、20世紀建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエ最期の作品のひとつ。どうりで同じミース設計の真っ黒な IBMビル(AMA Plaza)とそっくり。。
アップル ミシガンアベニュー店 Apple Michigan Avenue
アップル ミシガンアベニュー店は、ミシガン・アベニュー・ブリッジのすぐ脇、パイオニアコートと呼ばれる広場の一角にあります。
うっかりiPhoneの充電ケーブルを忘れてきてしまったので、観光ついでにここで買うことにしました。こればっかりは必需品なので仕方ない。
このストアは、MacBook型の屋根にちなんで MacBook-shaped roofと形容されるアップルのフラッグシップ。
アップルが力を入れている最近のショップ形態、タウンスクエア形式の店舗です。
設計は、他のアップルストアやアップルの新本社「Apple Park」も手がけたノーマン・フォスター卿。
ゼロエミッションを目指し、ミニマルな建築を実現するために最新技術を使用、どの作品にもガラスが多用されていることでも有名です。
以前見た映画『フォスター卿の建築術』の中で、彼自身がガラスを使う意味を語っていたのに思い出せない。。すみません。
一歩足を踏み入れると、眼下には深緑色のシカゴ川が横たわり、これはもう借景なんてもんじゃない。一面シームレスなガラス張りの建物は外と一体化して、まるで屋外の公園にいるようです。
1階のリバーフロントには大型ディスプレイとキューブ型の椅子が置かれ、奥まった所に製品の陳列棚と大きなテーブルが並んでいます。
とってもクールなこの店舗、開店したての2017年末には、シカゴの厳しい冬の洗礼を受けたそうです。欠陥設計とまで言われちゃってます。
今年2019年1月下旬の北極渦大寒波の時は無事だったんだろうか。。
Design flaw in Apple flagship store. https://t.co/eNdvFlE7nC pic.twitter.com/LSgSdvUaVr
— Matt Maldre (@mattmaldre) 2017年12月29日
で、ケーブルを買おうとしても、ここにはレジがありません。どこのアップルストアもそう?
店内のフレンドリーなスタッフに「これください」というと、その場でチャチャっとカードスキャンして、小物なので袋にも入れずに渡してくれました。
その場で箱から出してケーブルつないで、、って、このシステム、やろうと思ったら盗めそうですが。
アップル様は多少の万引きなんか気にしない?
いやいや『Amazon Go』みたいにカメラで人と商品認識して見張ってる?
そういえば『Amazon Go』は、2018年秋にはシカゴにもオープンしたそうですが、僅差で帰国してしまいました。
ここでも他店と同様に様々なアクティビティーがあって、その中に外に出て撮影するプログラムもあるようです。
日程さえあえば、下手な観光するより楽しいかもしれません。
最高のロケーションで、上手に撮影するコツを学べるチャンスかも。
⇒ Today at Apple – Michigan Avenue
もう少し腰を据えて充電しながら外の景色を楽しみたいところですが、我々は先に進まねば。
シカゴトリビューンタワー Tribune Tower
アップルストアの真後ろ、『Chicago Tribune』のロゴを携えてそびえ立つのが、シカゴトリビューンタワーです。
シカゴの大手メディア、シカゴ・トリビューンが 1922年に行った新本社のデザインコンペは、多額の賞金と応募者数で後世に名を残したコンペです。
世界中のビッグネームから応募があった中で勝利を手にしたのは、シカゴの建築家ではなく、ニューヨークの建築家レイモンド・フッドとジョン・ハウエルズ。
「世界で一番美しいオフィスビルディング」と呼ばれるネオゴシック様式のタワーは、お隣の”白くてきれいで万人受けする”リグレー・ビルとほぼ同時期に建てられました。
世界一美しいかどうかは置いておいて(主観の問題?)、おどろおどろしいまでに中世的で荘厳で、力を誇示し他を圧倒するに充分な迫力があります。
- トリビューン タワー外観
- トリビューン タワー内部
シカゴトリビューンは2008年に一度倒産し、大リーグのシカゴカブスやロサンゼルスタイムスも手放し、決して楽な経営ではないようです。
私も愛用しているシカゴトリビューンのアプリでは、ライブでニュースを見ることができます。
ニュースキャスターの後ろに映し出されているのは、トリビューンタワーがあるミシガン・アベニュー・ブリッジ周辺で、ほぼリアルタイムにお天気や街の様子がわかるので、うま君を一人シカゴに奉公させている母としては有り難いメディアです。
トリビューンタワー見所のひとつは、トリビューン特派員が集めた世界各地の石が埋め込まれた外壁。
残念なことに、私たちが訪れた時は外周りを工事中で、足場の隙間から一枚だけ撮影してきたのが上の写真です。
- David’s Tower/Jerusalem (ダビデの塔/エルサレム)
- Santa Lucia Barracks/Manila (サンタルチアの兵舎跡/マニラ) 連生之墓?
- Cologne Cathedral /Germany(ケルン大聖堂/ドイツ)
- Parthenon (パルテノン神殿)
- Fort San Antonio Abad/Manila (サンアントニオ アバット要塞/マニラ)
がんばって解読しましたよ!間違いがあったらごめんなさい。
それにしても、②は墓石だと知ってて持ち帰ったのでしょうか?
ピラミッドの石もあるらしいですが、持ち出し禁止なのでは?
さて、シカゴトリビューン社自体は、すでに2018年半ば近くのビルに移転しています。
トリビューンタワーからの引越し、社員達にはそれぞれの思いもあるようで、建築ツアーに組み込まれる名建築である一方、使いにくくて汚いし、ゴキブリとの戦いもあったという切実な話もあります。
下記のサイトでは、英語ですが社員達の声が聞けて興味深いですよ。
⇒ Leaving Tribune Tower: ‘The world’s most beautiful office building’
リグレービル Wrigley Building
ガムで世界的に有名なWrigley Companyの元本社で、時計台が目を惹く白亜のビル。2011年に売却されてしまいました。
残念ながら私たちは見られませんでしたが、夜にはライトアップされ、いっそう白く美しく闇に浮かび上がるのだそうです。
南タワーと少し後に建てられた北タワーは、3階と14階の連絡橋でつながっており、時計台と共にリグレービルの特徴のひとつになっています。
この一角、メジャーリーグ球団シカゴカブスを長年持っていたリグレーのルネッサンス建築と、その後チームを買収したトリビューンのゴシック建築が向きあって建っていて、いろんな意味で面白い構図です。
結局トリビューンが2008年に破産したため、現在のカブスのオーナーはシカゴの富豪なんだそうです。
で、どっちのビルも、ビル名になっている会社には売却されてしまっています。
『メトラにのって ダウンタウンシカゴへ#3 2018年シカゴの旅⑥』へ続きます。
