(2019年末にシカゴを訪れた時の情報を元に加筆・修正しました)
前回のメトラに続いて、今回はCTAとPaceバスについてまとめてみました。
CTAはChicago Transit Authorityの略で、シカゴおよびその近郊で鉄道・バスを運行しています。住民はもちろん旅行でも使わない人はいないと思われる便利な都市公共交通機関です。
郊外を走るPaceバスは、通勤やコミュニティサービスの足となるバス交通網。郊外にも魅力的な観光スポットがたくさんありますので、旅行の際の移動手段としても使ってみたい交通機関です。
「メトラにのって ダウンタウンシカゴへ#1 2018年シカゴの旅④」
「シカゴ公共交通 メトラ(Metra)」の記事はこちら。
目次
CTAの路線や行き方を調べる
CTAの高架鉄道 ‘L’ の路線と運行
CTAの鉄道網は ‘L’と呼ばれています。もともとはElevated (高架の)の略でしたが、現在では正式名称になっています。
8路線のうち「レッド」と「ブルー」は、毎日24時間運行(Service at all times, every day)!
路線名 | 運行区間 | 運行 |
---|---|---|
Red Line | Howard 95th/Dan Ryan | 毎日/24H |
Blue Line | O’Hare Forest Park | 毎日/24H |
Brown Line | Kimball Loop | 毎日/深夜× |
Green Line | Harlem/Lake Ashland/63rd Harlem/Lake Cottage Grove |
毎日/深夜× |
Orange Line | Midway Loop | 毎日/深夜× |
Pink Line | 4th/Cermak Loop | 毎日/深夜× |
Purple Line | Linden Howard | 毎日/深夜× |
Purple Line Express | Linden Loop | 平日/通勤時間帯のみ |
Yellow Line | Dempster-Skokie Howard | 毎日/深夜× |
高架鉄道 ‘L’ と、環状線 Loop(ループ)
Loopはシカゴ中心にある四角い環状線で、ガタガタと音をたてて頭上を走る‘L’ や高架下のにぎやかな光景は、紛れもなくダウンタウンシカゴの象徴です。
全ての‘L’ がLoopを通るわけではなく、上の表に赤字で Loop と表示がある「ブラウン」・「ピンク」・「パープル」・「オレンジ」の4路線が走っています。 ※「グリーン」は一周せず半分だけLoopの線路を走ります。
気軽に乗れるLoopですが、Mapを良く見ると進行方向が書かれています。
私はてっきり「上り」「下り」両方走っていると思いこんでいて、危うく違う線に乗ってしまうところでした。(失敗談)
進行方向が決まってますのでお間違えのないように。
ちなみに駅名ですが、たとえば「Washington/Wells」は、「Washington and Wells」と読み、ワシントンストリートとウェルズストリートの交差点を現しています。
Loopのマップは、下記のダウンタウンマップをご利用ください。
こちらwikipediaで統合・廃駅などの情報も含め詳しく書かれています。安全上止むを得ないとはいえ、趣ある古い駅舎が次々になくなっていくのは残念です。
Loopの駅については、CTAバスの路線と運行
CTAのバスは 百数十の路線がシカゴとその近郊を網の目のように走っています。
そのうち約10本は年中無休で24時間運行!!
ほかの路線は土・日・祝は運休だったり、通勤時間帯のみの運行だったり様々です。
下のCTA Mapの「First Bus / Last Bus Times」では、路線ごとの運行日、始発・最終バス時間も確認できます。
路線図マップ(PDA)
あらかじめスマホなどにダウンロードしておきたい路線図マップです。
CTA Map
メトラが伸びる6つの郡を全てカバーしています。料金や乗り方も書いてあります。
メトラ、CTAトレイン&バス、Paceバス全ての路線を掲載。
鉄道接続マップ(RTA Train Connections Map)
目的地までの行き方を検索
住所や名称を入力すれば、徒歩を含めた目的地までの行き方を調べられるサイト・アプリです。
RTA Trip Planner
シカゴ地域交通局のサイトだから、メトラ、Paceバス、CTAには詳しい。
Citymapper
鉄道・バス・徒歩などの経路を調べるアプリ。
“NEARBY”で近くのバス停、駅、Divvy(シェア自転車)なども一発で表示。
Googleマップより正確ともいわれ、現在は世界約40カ国で使えます。
Google Maps
使い慣れている方がよければ定番のGoogleマップアプリで。
CTAの運賃
高架鉄道 ‘L’ とバスの運賃は一律です。お得な乗り放題Passも複数あります。
基本料金(一律)
- ‘L’ 運賃 $2.5
※オヘア空港→ダウンタウンの片道に限り $5 - CTAバス $2.25
※乗車時に現金で支払う場合は$2.5 - 乗り換え(2時間以内2回まで) $0.25
お得なPass
CTA Passは、’L’またはCTAバスで使えます。
CTA/Pace Passは、上記+Paceバスにも使えます。
有効時間は1日24時間でカウントされます。たとえば1-Day Passの場合、最初に使った時間から24時間有効になります。
・1-Day CTA Pass $10
・3-Day CTA Pass $20
・7-Day CTA Pass $28
・7-Day CTA/Pace Pass $33
・30-Day CTA/Pace Pass $105
運賃の支払い方法
現金
乗車時に運賃を現金で払えるのはバスのみです。
※釣銭はもらえません。
※お得な乗り換え運賃も適用されません。
Ventra(ヴェントラ)
Ventraとは、’L’、CTAバス、Paceバスで利用できる乗車券。
下記の2種類があり、’L’ の駅にある自動券売機で現金、またはクレジットカード等で購入します。
Ventra Ticket(ヴェントラチケット)
1回乗車券と1日Passのみに使える紙製のチケット。
特にデポジットは必要ありません。
自動券売機でVentraチケットを買う方法(動画)
Ventra Card(ヴェントラカード)
Suicaのようなプラスチックのカード。
1日Passだけが必要ならVentraチケットを。
3日以上のPassや金額をチャージして使いたい場合は、必然的にVentraカードになります。
Ventraカードは、駅の券売機のほか、外貨両替所やドラッグストア、小売店などでも販売している所があります。
新しいカードを購入する時は、次から内容を選びます。
- Start with transit value
金額(transit value)をチャージする。乗車ごとに料金が引かれます。 - Start with a pass
お得な○日Passを買うならこちらを選択。
初回購入時には、5ドルのデポジット料金を取られますが、Ventra Appに登録すれば5ドル分は transit value として返金されます。
新しいカードを作る時に10ドルの1日Passを選ぶと、デポジット5ドルが加算され、合計15ドル支払うことになります。
現金で支払う場合、自動券売機ではおつりは出ません。
知人は使用できましたが、郵便番号とクレジットカード情報が違うと、セキュリティ上カードが使えない場合もあるようです。
自動券売機でVentraカードを買う方法(動画)
Ventra App(ヴェントラアプリ)とは
Ventraアプリは、Metra、CTA、Paceバスで使える共通アプリで、App Store、Google Playから無料でダウンロードできます。
アプリには以下のような機能があります。(ほかの機能も追加される予定)
- メトラのチケット購入(複数人分の購入可)
- Transit Tracker
CTA”L”、CTAバス、メトラ、Paceバスについて、リアルタイムで発着情報がわかります。また最寄の駅やバス停を探せます。 - 残高確認とチャージ(Ventraカードを登録した場合)
Ventraカードをアプリに登録すると、デポジットの5ドルがTransit valueとして戻ってきます。
モバイルPay、非接触型キャッシュカードでの従量課金(PAYG)
Ventraリーダーに、Apple Pay、Google Pay、Samsung Pay、または非接触を示すシンボルの付いたバンクカードをタッチすることで、その都度料金を支払うことができるようになったそうです。
私の場合は観光する予定を考えながら、お得なパスを買うこともあれば、Ventraカードに料金をチャージして利用することもありましたが、結局最後に残金が発生して無駄になってしまいました。
ですので旅行者の方は、乗り放題パスとモバイルpayをうまく組み合わせてシカゴ観光をされると良いと思います。
How-to: Making contactless payments with Pay apps at Ventra readers)
詳細はこちら(‘L’ に乗る
日本の電車とほぼ同じ乗車システムですが、Ventraカード・チケットをタップし、リーダー(読み取り機)の上に「Go」が表示されてから、自分でバーを押して入場します。また一律運賃なので降車時にタップは不要です。
下記のCTAトレイン’L’の乗り方についての動画は、駅に入るところから出るところまで全部説明されていて、とてもわかりやすいです。(音声なし)
YouTube 「How to ride the CTA train」CTAトレインの乗り方
CTAバスに乗る
- 停留所でバスが来たら行き先を確認。自分が乗るバスだったら手を上げるなどして乗ることをアピール。
- Ventraチケット・カードを、ドライバー横のリーダーにタップ。
- アナウンスや電光掲示板で現在地を確認。
私はGoogleマップで把握していました。 - 降りるバス停が近づいたら、窓の横に這わせてあるコードをひっぱるか、手すりについているボタンを押してドライバーに知らせます。
- 降車時はVentraをタップする必要はありません。前後どちらのドアから降りてもOK。
下にPaceバスの乗車方法についての動画を紹介しています。
乗り方はCTAバスもPaceバスも同じですので参考にしてください。
郊外を走る Paceバス
シカゴ郊外に約200路線を持つバスサービス。シカゴ市の15倍の広さをカバーしているそうです。通勤時間帯は結構な本数が走っていますが、路線によって日・祝日は運休するものもあります。
近くのバス停や行き方を調べるには、前述のサイトやアプリが便利です。
路線については上記のシステムマップを参照してください。
料金(一律)
Ventraカードで支払い:$2.00
現金乗車:$ 2.25(釣銭なし)
Paceバスの乗り方動画
乗車方法はCTAバスと同じです。
下の動画はディスアビリティーの方用に、ものすごく丁寧に説明されています。
Getting Around on Pace: Part 1 – Planning Your Trip(Paceバスの乗り方1 出かける準備)
Getting Around on Pace: Part 2 – Waiting For and Getting Onto The Bus(Paceバスの乗り方2 バスを待つ~乗る)
Getting Around on Pace: Part 3 – Staying Safe and Smart on the Bus (Paceバスの乗り方3 バスの車中)
Getting Around on Pace: Part 4 – Getting Off Of The Bus(Paceバスの乗り方4 バスを降りる)
郊外でバスに乗る時の注意
郊外でバスを使うにあたって大きな問題となるのが、太い幹線道路は人が歩くことを前提にしていないので、横断歩道がほとんどないということです。
たとえば、行きはこちら側のバス停から乗れても、帰りは反対側から道路を渡れず、結局、横断歩道がある所(=大きな交差点)まで行ってそこから延々と歩くことになるのです。
まさにうま君家の前を走る片側2車線の幹線道路がそれ。
目の前がバス亭なのに横断歩道がありません。
最寄の横断歩道までは、なんと徒歩20分強!
さらに、ほとんど利用者がいない信号は押しボタン式で、不安になるほど待たされます。
Googleマップなどのナビも、ここまで考えてサジェストしてくれないので、郊外でバスに乗る際は一応頭に入れておいた方が良いかもしれません。
鉄道駅から観光地や大型施設へ行くのであれば、このような心配は要らないはずですので、楽しんでトライしてみてください!


