海外でのスーパーマーケット巡りは、その土地ならではのものがリーズナブルな金額で買えて、現地の生活も垣間見られる満足度が高い体験のひとつ。
そしてアメリカ土産の定番になっているのが、スーパーマーケットのエコバッグ。
お約束のエコバッグ比較をしてみようと思い立つも、これらのスーパーマーケット、いったいどんな企業なんだろうと気になって、いろいろ調べてみました。
目次
アメリカのスーパーマーケットとエコバッグ
日本で言うエコバッグは、英語ではReusable shopping bagsまたは Reusable grocery bags。再利用できる買い物袋という意味で、ほとんどがペットボトルのリサイクル素材を使っており、洗濯もできちゃいます。
そして単にオシャレというだけでなく、それぞれの企業文化がエコバッグに反映されていて、こちらの視点からも興味深いんですよ。
各店の感想は、私が訪れた店舗だけに限られたものですのであしからず。
ウォルマート walmart
言わずと知れた世界最大の売上を誇る総合スーパーマーケットチェーン。
創業一族のウォルトン家は、一族総資産がダントツで世界一の大富豪。
西友の親会社であり、2018年12月には、楽天市場と提携し日本国内のECに参入。
そんな世界一の企業の店舗はいったいどんなものだろうと、期待して訪れてみたのですが、困った…特筆すべき点が見当たらない…。
1回行っただけの感想で語るのもどうかと思いますがご容赦を。
敷地面積は確かに広い。雰囲気は西友と同じような感じ。
”Everyday Low Price”を謳っているので、多分お安いんでしょう。
日本の低物価に慣れてしまっている私には??でしたが。
印象としては、圧倒的な力を背景にしたコモディティの博覧会みたいな。
でもだからこそ、食品や日用品など最低限必要なものは一通り揃っていて、さらに安く提供できているというところに価値があるんでしょうか。
あ、でも、肩幅が広いハンガーを探したんですが置いてなかったですね。
ウソでしょ、日本だったら百均にもあるのに。
トレーダージョーズ Trader Joe’s
地元民、旅行客にも大人気のオーガニックスーパー、通称 ”トレジョ”。
連れて行ってもらった店舗に限って言えば、それほど大きな店舗ではありませんが、ワクワク感の創出がうまい!店員さんはアロハ着用!
主に食料品、加工品、お花、雑貨などを扱っていて、コーヒーの試飲や試食コーナーも。
プライベートブランド製品の比率は80%と言われており、直接仕入れで高品質かつ価格を抑えた商品展開を可能に。一つ一つの商品クォリティはもとより、古き良き時代(ステレオタイプ笑)を思わせるデザインにも温かみを感じます。
地域ごとにエコバッグのデザインが違うのも人気の秘訣。
もともとは、スタンフォード大でMBAを取得した創業者ジョー・コーロンブ(Joe Coulombe)が、1958年カリフォルニアのコンビニエンスストアとしてスタート。10年後にはトレーダージョーズ1号店をオープン、徐々に店舗を拡大。1979年に、ドイツ系のAldi Nordが米国内すべてのトレーダージョーズを買収したのですが、引き続き完全に独立した運営がなされているそうです。
以下は、”あなたが知らないかもしれないトレジョの事実”の一部です。
- サンプルだけでなくすべての商品が購入前に試せる
- 80%がオリジナル商品で、遺伝子組換え作物、人工香料、人工保存料・防腐剤、人工着色料は一切含まない
- 店長はキャプテンと呼ばれ、店内放送設備の代わりに船にあるような鐘を使用。鐘を1回鳴らすと他のレジ開放の連絡、2回鳴らすと客からの質問への対応要請。3回の鐘はマネージャーの呼び出し。
- 1978年にパンティストッキングの販売を中止
ちなみに理由は ” The unencumbered freedom is glorious.(重荷を取っ払った自由は素晴らしい)”。大賛成! - 給料がクレイジーなほど高額… などなど
どうでしたか?ご存知でしたか?その他の事実については下のリンクからどうぞ。
WALL STREET INSANITY
13 Facts About Trader Joe’s You Probably Didn’t Know
薄利多売の生活インフラであるスーパーマーケット。そのすさまじい生存競争の中で、独自のドメインを築き上げた感があるトレジョ。
決して机上の空論ではない考え抜かれた経営哲学・戦術が素晴らしく、スーパーマーケット界のディズニーランドと呼びたくなるエンターエイメント性とホスピタリティには感服させられます。
まんまとジョー・コーロンブの術中にハマってしまってますね。
- Trader Joe’s エコバッグ
- Trader Joe’s エコバッグ シカゴ
ホールフーズマーケット Whole Foods Market
こちらも人気のオーガニックスーパーですが、少々高級路線で落ち着いた雰囲気。
アマゾンが買収した1年後くらいに行ってみましたが、大々的にアマゾン色が出ているようには見えませんでした。 レジで、アマゾンプライム会員だと割引になると言われましたが、会員ではないので定価購入。
購入した食品は、(ラッキーなことに)ハズレなく美味しかったです。
「ホールフーズは高い!」というイメージを払拭すべく投入されたプライベートブランド商品 ”365 EVERYDAY VALUE” は、オーガニックでも比較的安い価格設定で、たくさんの商品が並んでいます。
トレジョに見られるディズニーランド的なワクワク感はありませんが、ナチュラル、オーガニックにこだわった商品は、安心して購入することができます。
トレジョと並んでお土産探しに最適なスーパーなんですが、PB商品のパッケージはトレジョの方が圧倒的にシャレていて味があります。
2017年購入のエコバッグは、珍しい前ポケット付き。
2018年のものは、サイドにアマゾンのロゴがお目見えしてました。
- Whole Foodsエコバッグ 2017年
- Whole Foodsエコバッグ 2018年
- 2018年にはamazonのロゴ
マリアノス Mariano’s Fresh Market
シカゴを拠点とする、おしゃれ過ぎなイタリア系高級スーパー。
お酒、チーズ、デリ、パティスリーその他もろもろ専門店街のような品揃えで、大きなマルシェに来ているような錯覚すら覚えます。
で、wikiを調べてみると、やはりチーズ、お酒、食料品、寿司、スイーツ他、各種専門店が入ってました!
参考元:wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Mariano%27s_Fresh_Market
海外旅行のお土産探し的なスーパーではありませんが、デリなど加工食品も充実しているので、旅行でホテルに滞在する方も一度は探検してみる価値ありです。
本当にマリアノスは、私みたいなミーハー客の虚栄心をくすぐるのがお上手。
- Arlington Heights.ILのマリアノス 1号店?
- マリアノス チーズ売り場
2017年のエコバッグはたっぷりサイズで防水生地。さりげないシカゴの地図模様がとても気に入ってたのに!2018年にはもう売っていませんでした(泣)。
新しいものは素材も不織布へ変更。でも、シカゴのデザイナーさんの絵柄が相変わらず素敵。この辺のセンス良さはピカ一!
- Mariano’s 2017
- Mariano’s 2018
- Mariano’s 2018
その他のスーパーマーケット
その他に私が行ったスーパーマーケットをご紹介。
残念ながらエコバッグには食指が動かなかったお店たちです…。
ターゲット Target
ウォルマートよりもさらに庶民的な総合スーパー。私はターゲットの方が好きですけどね。
郊外を車で走っていると、ウォルマートとターゲットが隣接している所が実に多かったです。まさに教科書通りの集積効果狙い。
そんな庶民の味方ターゲットですが、何ともすごい場所にも出店しているのです。
シカゴのダウンタウンにあるサリバンセンター!(Carson Pirie Scottビル)
フランク・ロイド・ライトの師匠であるシカゴ派の建築家ルイス・サリバンが設計した歴史的建築です。
重厚かつ繊細な鉄の装飾窓に、日の丸みたいな赤い的のロゴがドーンって、ずいぶんと物議を醸したのではないでしょうか。
残念ながら行けなかったので、改修を手がけた建設会社のサイトでご覧ください。
参考:サリバンセンターのTarget State Street Storeについて
ミツワ Mitsuwa Marketplace
以前の記事でも紹介したミツワ。
静岡県発祥のスーパーマーケット”ヤオハン”が前身なだけに、とても身近に感じるお店です。
昔行ったサンノゼのヤオハンが、アメリカヤオハンの一号店と知って感無量。
それにしても、このありえない超和風な建物はシカゴだけ?
Hマート H MART
在米日本人が泣いて喜ぶ、アジア食材満載の韓国系スーパー。
日本の食材も豊富にあります。大きい店舗もあるようですが、私が行ったのは比較的小さな店舗でした。ですが、狭い店内にギッシリ見覚えのある食品が並び、まるでアジア食材のドンキホーテ?
レジの方も韓国系の方が多いようで、親しみやすいお店でした。
アメリカのスーパーにはない薄切り肉、日本の調味料やお菓子などなど、ミツワよりも若干お安めな価格で売られています。
1週間のシカゴ滞在中、2回も行っちゃいました。
2018年 アメリカのスーパーマーケット売上ランキング
では、実際アメリカにはどんなスーパーがあって、どれがメジャーなのでしょうか。
下記はアメリカの食品小売業の売上ランキングです。
何かストーリーが見えてくるような気がして、2018年時点での店舗数、本社所在地、創業年も加えてみました。
名称 | 売上 ($billion) |
店舗数 (米国内) |
本社 | 創業 | |
1 | Walmart | $385 | 5,275 | アーカンソー州ベントンビル | 1969年 |
2 | Amazon *ホールフーズ含む |
$125 | 488 | ワシントン州シアトル | 1994年 |
3 | Kroger | $123 | 3,254 | オハイオ州シンシナティ | 1883年 |
4 | Costco | $101 | 523 | ワシントン州カークランド | 1983年 |
5 | Target | $74.7 | 1,836 | ミネソタ州ミネアポリス | 1902年 |
6 | Albertsons | $60.3 | 2,289 | アイダホ州 ボイシ | 1939年 |
7 | Ahold Delhaize |
$43.5 |
1,975 | オランダ | 1887年アホールド創業。2016年デレーズ・グループと合併。 |
8 | Publix | $36.8 | 1,420 | フロリダ州レイクランド | 1930年 |
9 | Aldi *トレーダージョーズ、ALDI SUD含む |
$30.9 (内71%は米国外) |
2,422 | ドイツ | 1946年 |
10 | H-E-B | $23.4 | 333 | テキサス州サンアントニオ | 1905年 |
11 | Meijer | $17.7 | 242 | ミシガン州ウォーカー | 1934年 |
12 | Wakefern | $16.6 | 350 | ニュージャージー州キーズビー | 1946年 |
13 | Hy-Vee | $10.1 | 245 | アイオワ州ウェストデモインズ | 1930年 |
14 | Southeastern Grocers | $9.5 | 654 | フロリダ州ジャクソンビル | 2011年 |
15 | Giant Eagle | $9.1 | 426 | ペンシルバニア州オハラ・タウンシップ | 1931年 |
16 | Wegmans | $9.1 | 98 | ニューヨーク州ゲーツ | 1916年 |
17 | WinCo Foods | $7.7 | 125 | アイダホ州 ボイシ | 1967年 |
*参考:2018 Top U.S. Grocery Retailers
*元Source: Kantar Consulting’s 2018 Top 50 US Retailers (小売業全般のランキング)
*金額の詳細な算出基準はわかりかねますので、あくまで目安としてご覧ください。
調べによっては、純粋に食料品のスーパーマーケットとしてのくくりでは、クローガー(Kroger) が世界一とされているものも多くありますが、それぞれ算出基準の詳細が不明なため、上のランキング表はあくまで参考程度にご覧ください。
とりあえず上記のランキングで1位のウォルマートを見てみると、
売上$385(単位10億ドル)は、US$385,000,000,000。
12/13現在 1ドル=113,39円なので、円に換算すると、
43,655,150,000,000 円(43兆6551億5千万円)。
もはやすぐには解読できない数字の羅列…。
日本の2017年度の税収総額は58兆7875億円だったそうな。
世界3位の経済大国の税収に迫る売上とは、恐るべしウォルマート。
今回スーパーマーケットを調べてみて、だだでさえ利益率が低く競走が激しい食品スーパー各社が、アマゾンがホールフーズを買収してからというもの、さらなるオムニチャンネル攻撃に戦々恐々としているようです。
来年は、この勢力図にどのような変化が見られるのでしょうか。
